子供にせまる”究極の選択” ジョン・バーニンガム『ねぇ、どれが いい?』
以前、『りんごかもしれない』という絵本を紹介したとき、「かもしれない生活は、楽しい」という話を書いたんです
大人の「かもしれない」は「危険かもしれない」みたいにネガティブな方向にいくけど、子供の「かもしれない」は「隣のおじさんは宇宙人かもしれない」みたいにおバカで楽しい。
そのおバカな「かもしれない」でもう一つオススメの絵本があります。ジョン・バーニンガム『ねぇ、どれが いい?』
こんな出だしで始まります。
もしもだよ、
きみんちの まわりが かわるとしたら、
大水と、
大雪と、
ジャングルと、
ねぇ、どれが いい?
エンピツと水彩画の独特のタッチで、家の周りが変わってしまう絵が添えられています。ジャングルだと緑でいっぱいでトラやシマウマもいます。
終始こんな感じで「いや、どれって言われても……」という質問が続きます。
「二千円でいばらに飛び込む」「一万円で死んだカエルを飲む」「二万円でお化け屋敷に泊まる」なんて、大人も困るし。
「蛇に巻かれる」「魚に飲まれる」「ワニに食べられる」「サイに潰される」なんて、絵柄はカワイイのに言ってることは死に直結するし。どれもイヤ!
でも子供たちは楽しいんですよね。「え~」なんて言いながら、「じゃぁサイ」みたいな。サイ!?サイにするの!?と理由を聞いてみたりして、親子の会話も広がります。
昔流行った”究極の選択”みたいな感じです。カレー味のウ○コとウ○コ味のカレーどっちがいいとかやりましたよね。アラフォーのみなさま。
そうそう、答えに困る選択だけじゃなくて、「妖精の魔法」「小人と宝探し」「魔女のシチュー作り」「サンタのプレゼント配り」どれを手伝う?なんてのもある。どれも面白そう~。
大型本で本棚に入らないくらいデカいんですけど、一度見かけたら手にとって見てください。
最後に、ちょっと考えさせられる質問を引用して終わりますね。
おとうさんが 学校で おどっちゃうのと、
おかあさんが きっ茶店で どなるのと、
どっちが いや?
■こちらの記事もどうぞ!
"かもしれない生活"のススメ。うちの子爆笑の絵本『りんごかもしれない』 - パパ*パパ